サイディングの外壁材ってよく聞くけど、どのようなものだろう?と疑問を持つ方も少なくないかと思います。
サイディング外壁は材質によって様々な種類があり、メリット・デメリットやメンテナンスの頻度なども異なります。
ここでは、サイディング外壁の種類や耐用年数、長持ちさせるためのメンテナンス方法を紹介します。
サイディング外壁の耐用年数
サイディング外壁の耐用年数は30~40年くらいです。
外壁材の代表的なものにはサイディングの他に、モルタル・ALC・タイルとあり、それぞれの耐用年数は以下の通りです。
外壁材 | 耐用年数 |
---|---|
サイディング | 30~40年 |
モルタル | 30年 |
ALC | 50年 |
タイル | 30~40年 |
サイディングには様々な種類があり、それぞれ特徴・性能にも違いがあります。
それぞれサイディングの種類を紹介します。
窯業系サイディング
窯業系サイディングの耐用年数は30~40年です。
セメントに木質の繊維を混ぜて成型し加工したもので、防火性・耐震性・耐風圧性・防水性などの性能があります。
デザインが豊富で、サイディングの中でも人気のある外壁材です。
サイディングの経年劣化が進み、撥水性が落ちるとカビやコケが発生しやすく、耐用年数も短くなるため定期的なメンテナンスが欠かせません。
金属系サイディング
金属系サイディングの耐用年数は30~40年です。
鉄をガルバリウム鋼板やアルミ・スチール・亜鉛などでコーティングした外壁材です。
金属系サイディングは、断熱材が使用されているものが多く断熱性に優れていて、耐凍害性もあります。
また、非常に軽く耐震性に優れており、ひび割れなどのリスクから守ってくれます。
経年劣化が進むと、窓などの接合部にあるシーリング材が剥がれたり、塗装面にチョーキング現象が発生することもあります。
木質系サイディング
木質系サイディングの耐用年数は15~30年です。
木質系サイディングは天然の木を材料とし、表面に塗装を施した外壁材です。
断熱性がありますが、吸水性が高い木材の性質上、劣化しやすく他のサイディングと比べると耐用年数は短くなります。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングの耐用年数は25~30年です。
樹脂系サイディングは、塩化ビニール樹脂で作られており、耐腐食性、ひび割れしにくいのが特徴です。
軽量で耐震性に優れ、寒冷地での凍害なども起こりにくいというメリットもあります。
サイディング自体に顔料が練りこまれているため、色褪せや塗装の剥がれはなく、基本的に塗り替えは不要です。
メンテナンスがほぼ不要で、耐用年数も長いサイディングですが、日本でのシェアは低いのが現状です。
サイディング外壁の主な劣化症状
サイディング外壁に以下の症状が現れたらメンテナンスを検討しましょう。
- ツヤがなくなった
- 色あせがある
- カビやコケが生えている
- チョーキング現象が起きている
- 塗膜の剥がれやひび割れがある
- シーリングが劣化している
ご自身で簡単に確認できますので、チェックしてみましょう。
ツヤがなくなった
サイディング外壁に塗装した塗膜が紫外線や雨風にさらされると、だんだんツヤがなくなってきます。
まだこの段階では見た目以外に問題は起こりませんが、放置するとチョーキングや色あせ、カビなどの症状が始まりますので、軽く見てはいけません。
色あせがある
サイディング外壁は紫外線や雨風にさらされ続けると、だんだんと外壁が色あせや変色を起こします。
色あせは塗膜が劣化して防水性が落ちてきているサインです。
放置すると、チョーキング現象に発展してしまうので、注意が必要です。
カビやコケが生えている
カビやコケが発生している場合は、塗膜が劣化して防水機能が低下している可能性が高いと考えられます。
主に日当たりが悪い北側の外壁や風通しの悪い部分に見られます。
カビやコケを見つけたら早めのメンテナンスが必要です。
チョーキング現象が起きている
壁を触って手に白い粉がつく場合は、チョーキング現象を疑ってください。
チョーキング現象は「白亜化現象」とも呼ばれており、外壁の塗料が紫外線や雨風によって塗料の成分の結合を失い、顔料が粉状になる現象です。
チョーキングを見つけたら、塗り替えの検討を始めましょう。
塗膜の剥がれやひび割れがある
塗装した塗膜が紫外線や雨風によって劣化し、密着性が低下することで塗膜が剥がれる症状が現れます。
雨水が侵入すると、気温差で膨張や収縮を起こしやすくなり、外壁がひび割れたり剥がれてしまう危険性があります。
ひび割れた隙間から雨水が侵入してしまうと、サイディングや下地に悪影響を及ぼす恐れがありますので、放置は厳禁です。
ひび割れを見つけたら放置せず、応急処置を行いましょう。
シーリングが劣化している
シーリング材は水の侵入を防ぐのと、建物の揺れから外壁材を守る役割を担っています。
サイディング材同士を隙間なく張り合わせると、地震などの揺れや気温・気圧などの自然環境の影響により、サイディングが欠けたり、ひびが入りやすくなります。
シーリング材はそれを防ぐための緩衝材的な役割で使われていますが、経年によって劣化してしまうため、定期的な打ち替え・増し打ちが必要です。
シーリング材の劣化を放置すると、サイディング外壁にも悪影響を与えることになるので、注意しましょう。
サイディング外壁のメンテナンス時期
サイディングは種類によってメンテナンス時期が変わります。
ここでは、サイディングの種類ごとのメンテナンス時期をご紹介します。
外壁材 | メンテナンス周期 |
---|---|
窯業系サイディング | 7~10年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
木質系サイディング | 8~10年 |
樹脂系サイディング | ほぼ不要 |
窯業系サイディング
表面の塗装やコーティング、またシーリングが劣化しますので、塗装やシーリングの打ち替えが必要です。
金属系サイディング
金属系サイディングは、ひび割れすることもなく比較的メンテナンス周期が長い壁材ですが、窓の接合部にあるシーリングが劣化しますので、10~15年ごとの塗装をおすすめします。
木質系サイディング
木質系サイディングは紫外線や湿気により劣化が早いという欠点があります。
特に厳しい環境にある木質系サイディングはメンテナンス周期を早めての塗装必要です。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、変色しづらいため塗り替えなどのメンテナンスはほとんど不要です。
また、シーリングを使わないオープンジョイント工法と呼ばれる施工方法のため、シーリングの劣化も心配なく30年近くはメンテナンスが不要です。
サイディング外壁のメンテナンス方法
外壁サイディングの耐用年数を長持ちさせるには、一般的に以下のメンテナンス方法を行います。
洗浄
ご家庭でもできるメンテナンス方法としては洗浄があります。
高圧洗浄機などがあれば、一瞬できれいになってしまうので、大変便利ですが、高圧によって劣化したサイディングを壊してしまったり、へこみや傷がつけてしまう原因になってしまうこともあります。
おすすめの洗浄方法としては、ホースで水をかけながら柔らかいブラシで優しくこすることです。
カビやコケが発生している際は、台所洗剤などの中性洗剤を使って洗いましょう。
塗装
チョーキング、色あせなどが起きている場合は、塗装が必要です。
一般的な塗装の手順は以下の通りです。
- 足場設置
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 養生
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
塗装は紫外線や雨風からサイディングを守りますが、経年劣化しますので、塗り替えが必要です。
シーリングの打ち直し
シーリングが劣化している場合は、打ち直しが必要です。
シーリングは、外壁の塗料より劣化スピードが早いため、メンテナンス回数が多くなります。
シーリングの手順は以下の通りです。
- 古いシーリングの撤去
- 養生
- プライマー塗布
- シーリングの充填
シーリングの打ち直しは、場所によっては足場が必要になります。
補修
サイディングのキズや剥げ、ひび割れなどが起こっている部分にパテ埋めなどの修復方法もあります。
この方法は、部分的に劣化している場合に有効です。
劣化部分が多い場合は、重ね張りや張り替えなどの行います。
張り替え
サイディングの劣化や寿命を迎えた時に行うメンテナンス方法が張り替えです。
古いサイディングをすべて取り除いて、新しいサイディングを張り付けます。
新しいものを取り付ける張り替え工事は、最も手間・費用・時間がかかるメンテナンス方法ですが、家の外観が新築同様になります。
まとめ
サイディングは、窯業系・金属系・木質系・樹脂系があり、耐用年数は15~40年と差があります。
主な劣化症状は、ツヤがなくなる・色あせがある・カビやコケが発生している・チョーキング現象が起きている・塗膜の剝がれやひび割れがある・シーリングが劣化しているなどで、劣化を放置している場合は、耐用年数が短くなることがあります。
サイディングを長持ちさせるには、洗浄・塗装・シーリングの打ち直し・補修・張り替えなどのメンテナンス方法があります。
メンテナンス周期は、窯業系が7~10年・金属系が10~15年・木質系が8~10年・樹脂系はほぼ不要です。
サイディング外壁の耐用年数は30~40年ほどで、耐久性が高いです。
しかし、劣化症状を見逃して定期的なメンテナンスを行わず、放置してしまうと劣化が進み耐久性が低くなってしまいます。
どんなサイディングでもメンテナンスは必要ですので、10年を目安に業者に点検してもらいましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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