外壁塗装と屋根塗装で塗料の乾燥時間はどれくらい?

 

外壁塗装や屋根塗装では塗り替えの際、乾燥時間を守ることが大事です。

外壁塗装や屋根塗装は、下塗り・中塗り・上塗りと塗料を重ね塗りをして仕上げるので、乾燥させることが重要になります。

乾燥時間を守らずに塗料の重ね塗りを行ってしまうと、不具合を引き起こし耐用年数が短くなってしまいます。

不具合(剥がれ・膨れ等)を引き起こしてしまう原因は、塗膜の表面が乾燥していても塗膜の内部の乾燥が不十分な状態で重ね塗りをしてしまうことにあります。

ではトラブルを防ぐために、塗料の乾燥時間はどれくらい必要なのか解説していきます。

 

外壁塗装と乾燥時間の基礎知識

 

外壁塗装で美観と耐久性を維持させるためには、塗料の塗り方に加えて正しい方法で適切に塗料を乾燥させることが大切です。

乾燥させる時間が短く、塗料が十分に乾いていない状態で重ね塗りを行ってしまうと、膨れや剥がれなどのトラブルが起こり外壁の耐久性が損なわれてしまいます。

まずは外壁塗装と乾燥の基礎知識を確認してみましょう。

 

塗料の性能は乾燥によって発揮される

 

まず塗料の乾燥時間とは、下塗りを終えてから中塗りを開始するまでの時間、中塗りを終えてから上塗りを開始するまでの時間と、塗り終えてから次の工程に移る間の乾かす時間をいいます。

塗料には外壁の美観保つことと、雨・風や紫外線、汚れなどから建物を守り、耐久性を高める役割があります。

塗料は十分に乾燥することで外壁にしっかり密着し、塗膜を形成して外壁保護の役割を果たします。

乾燥していない状態で無理に重ね塗りをしてしまうと不具合を引き起こしてしまいます。

高価な塗料で丁寧に塗装しただけでは外壁保護にはならず、適切に十分乾燥させることによってはじめて塗料としての役割を発揮するのです。

 

外壁塗装で必要な乾燥時間

 

外壁塗装は一般的に、下塗り・中塗り・上塗りの各工程ごとに乾燥をおこなう必要があります。

メーカーが規定している塗料の乾燥時間(日本ペイント・パーフェクトトップの場合)

 

モルタル面・コンクリート面の塗り替えなど

工程 塗料名 塗り回数 使用量(kg/㎡/回) 塗り重ね乾燥時間(23℃) 希釈剤 希釈率(%) 塗装方法
下地工程 活膜を残し劣化塗膜は入念に除去する。ほこり、汚れを除去、清掃する。      
下塗り ニッペパーフェクトフィラー 0.20〜0.45 4時間以上 水道水  3〜8  ウールローラー
 0.50〜0.90 1〜5   砂骨ローラー
 2〜5  タイルガン
上塗り ニッペ パーフェクトトップ 2  0.11〜0.17  3時間以上  3〜5  はけ
ウールローラーエアレススプレー

窯業系サイディングボード、ALCパネル面の塗り替えなど

工程 塗料名 塗り回数 使用量(kg/㎡/回) 塗り重ね時間(23℃) 希釈剤 希釈率(%) 塗装方法
下地調整 活膜を残し劣化塗膜は入念に除去する。ほこり、汚れを除去、清掃する。
下塗り ニッペパーフェクトサーフ 1 0.20〜0.40 3時間以上 水道水 2〜5 はけ、ウールローラー
上塗り ニッペパーフェクトトップ 2 0.11〜0.17 3時間以上 3〜5 はけ、ウールローラーエアレススプレー

※日本ペイントパーフェクトトップカタログPDFより

 

塗料の乾燥時間は製品ごとに違いがあり、各メーカーではカタログなどの施工仕様書に乾燥時間が明記されています。

この乾燥時間を守り、正しい施工をすることによってメーカーが想定している性能を満たすことができるのです。

 

乾燥時間を守らないとどういった不具合が起こる?

 

乾燥時間を守らないと以下のような不具合を起こします。

  • 塗膜が急激に色褪せて艶がなくなった
  • 塗り替えてから数年で汚れやすくなった
  • 塗膜にひびが入ったり剥がれ始めてきた

適切な乾燥時間を守らないで塗料を塗り重ねると、膨れ・剥がれなどの不具合を起こしてしまいます。

塗料によって乾燥時間が決まっていますので、メーカーのカタログに記載されている乾燥時間を守ってしっかり乾燥させることが重要です。

中にはこの乾燥時間を守らずに塗り重ねをしてしまう業者も存在します。

この乾燥時間を守らないことで、不具合を引き起こしてしまうことに繋がるのです。

外壁を雨・風、紫外線などから守るために必要な塗膜が十分に形成されなくなるため、外壁の耐久性が低下してしまうのです。

 

次の工程までの時間のかけ過ぎにも注意

 

次の工程までに時間をかけ過ぎてしまうと、埃や塵などが付着して塗装に適さなくなります。

日本ペイントのファインパーフェクトベストの場合、下塗りと中塗りでの工程が「3時間以上乾燥させてから7日以内に次の重ね塗りをする」と表示されています。

 

 

工程 製品名 塗り回数 使用量(kg/㎡/回) 塗り重ね乾燥時間(23℃) 希釈剤 希釈率(%) 塗装方法
下地調整

ごみ、ほこり、かび、こげ、藻など、付着物は入念に除去する。素地に近づけ9.8Mpa(=100kgf/㎠)以上の高圧水洗が望ましいが、高圧水洗ができない場合はホースで水を流しながら金属ワイヤブラシなどを用いて清掃する。水洗い後は翌日まで乾燥させる。旧塗膜がある場合は、浮いたり、割れたり、膨れたりしている劣化塗膜、露出している着色セメント層を入念に除去する。十分に付着している活膜は残して良い。

下塗り ニッペフファイン浸透シーラー 透明・ホワイト 1〜2※1 0.15〜0.30 4時間以上5日以内 無希釈※2 はけ・ウールローラー
上塗り ニッペファインパーフェクトベスト 2 0.15〜0.18 3時間以上7日以内

塗料用シンナーA

0〜10
縁切り 水切部で化粧スレートの上下の重なりの部分が塗料でつまっている箇所は縁切りを行う。

※日本ペイントパーフェクトベストカタログPDFより

 

次の工程までに時間をかけ過ぎても、不具合を引き起こしてしまうことにつながるので、カタログに記載されている乾燥時間を守ることが重要です。

 

塗料は季節によって乾燥時間が異なる

 

乾燥時間はどの塗料も同じではありません。

塗料の乾燥時間は季節や気候によっても大きく左右されます。

 

塗料により乾燥時間は異なる

 

塗料の製品ごとに乾燥時間の基準は異なりますので、使用する塗料のカタログを確認することが重要です。

塗料の乾燥時間は溶剤塗料か水性塗料かによっても変わります。

溶剤塗料は乾燥のために揮発が必要で、水性塗料は水分の蒸発が必要となるため湿度や気温、天候に大きく左右されます。

また、気温が低いと溶剤塗料より水性塗料のほうが乾燥が遅くなることがあります。

 

乾燥時間は季節や天候でも変化する

 

 

  5〜10℃  23℃  30℃
指触乾燥時間 40分 15分   10分
塗り重ね乾燥 8時間以上  3時間以上  2時間以上

※乾燥時間は目安です。
使用量、通風、湿度および素地の状態によって異なります。
(日本ペイントパーフェクトトップカタログPDFより参照)

 

 

塗料の乾燥時間はそれぞれ製品ごとに異なり、湿度や気温、天候によっても大きく変化します。

夏のように気温が高く湿度が低ければ塗料は乾燥しやすく、冬のように気温が低く湿度が高いと乾燥しにくくなります。

雨が降ったり、湿度が高くジメジメとした梅雨の時期は乾燥しにくいので、塗装には不向きということになります。

また、冬の気温が低すぎる(気温5℃以下)と塗膜が十分に形成されず乾燥しにくくなるので外壁塗装は行えません。

梅雨時期や冬の天気が晴れまたは曇りであり、気温が5℃以上、湿度が85%以下であれば塗装可能です。

 

塗料が乾燥するまでの段階

 

塗膜の乾燥には段階があり、乾燥の度合いによって次の工程に進めるかどうかを判断します。

 

指触乾燥

指触乾燥とは、塗装された面を指で軽く触れたとき、塗料が付着しない初期の乾燥状態。

塗料の製品によっても異なりますが、指触乾燥は一般的に1~2時間程度かかりますが、天候や湿度によっても乾燥時間が変わるので注意が必要です。

指触乾燥を確かめるときは、外壁に指を強く押し付けてしまうと塗膜が崩れたり指紋がついてしまいますので、軽く触れるように意識しましょう。

この段階での重ね塗りをしてはいけません。

 

半硬化乾燥

半硬化乾燥とは、塗装された面を指で軽くこすっても跡がつかない程度の乾燥状態。

重ね塗りが可能な状態。

 

硬化乾燥

硬化乾燥とは、塗装された面を指で強く押したり、こすっても指紋が塗膜につくことがない乾燥状態。

表面だけでなく、塗膜内部でもだいぶ乾燥が進んだ状態。

 

完全乾燥

完全乾燥とは、塗装された面が表面だけでなく、塗膜内部まで完全に乾いた状態。

完全乾燥にかかる日数は塗料の製品によっても異なりますが、一般的に2週間程度が目安です。

また、完全乾燥までに長ければ1ヶ月以上かかる塗料もあります。

 

塗料が完全乾燥するまでの注意点

 

美観と高い耐久性を兼ね備えた外壁に仕上げるためには、適切に乾燥をおこなうことが大事です。

では、塗料が完全乾燥するまでにどのようなことに注意すればいいのでしょうか。

ここでは、塗装が完全乾燥するまでの注意点を解説します。

 

乾燥するまでむやみに触らない

 

塗料が乾燥するまでむやみに触らないようにしましょう。

乾燥の状態を確かめたいからといってむやみに触ると跡が残ってしまったり、強く触ると剥がれてしまうことがあります。

見た目で乾いてそうに見えても、塗膜内部は十分に乾燥されていない状態もあるので、注意が必要です。

 

物を立て掛けない

 

指でさわっても跡がつかないからといって、物を立て掛けないようにしましょう。

指触乾燥後から完全乾燥までの目安は2週間ほどです。

完全乾燥する前に物などを立て掛けてしまうと、塗膜が変形して見た目を損ねたり、物がくっついて塗膜が剥がれるなどのトラブルが起こってしまいます。

また完全乾燥であっても、自転車などの重たいものを塗装面に立て掛けると、塗膜の凹みなどのトラブルを起こしますので要注意です。

塗料の種類や天候・湿度によって異なりますが、外壁塗装が完了してから1年ほどは塗装面に物を立て掛けないことをオススメします。

 

完全乾燥までは注意が必要

 

塗装後の完全乾燥までの目安は春・秋で2週間ほどです。

塗装後、塗膜が完全乾燥に至るまでは4段階あり、徐々に完全乾燥に近づいていきますので、完全乾燥前に触ったり物を立て掛けてしまうと塗膜が剥がれたり、変形などのトラブルが起こりかねません。

乾燥時間は塗料や天候、湿度によって異なりますが、塗装完了から目安の2週間はむやみに触ったり、物を立て掛けたりしないように注意しましょう。

 

 

まとめ

 

塗料の種類や製品によって乾燥時間は様々で季節や天候・温度・湿度・風通し・日向・日陰によって乾燥速度が変わります。

塗装後の十分な乾燥時間を取らずに塗り重ねをしてしまうと、色褪せや剥がれ、艶がなくなるなど想定される耐用年数より短い期間で劣化してしまうトラブルが起こります。

また、次工程までの塗り重ねで時間をかけ過ぎてはいけない塗料製品もあります。

塗料の完全乾燥までは段階があり、一般的には2週間程度ですが、長ければ1ヶ月以上かかる製品もあります。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

船橋市と習志野市を中心に屋根・外壁塗装を行っている習志野建装では、無料相談を受け付けております。

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