外壁塗装で行う下塗り材の種類と役割を解説

下塗りとは何か

 

 

下塗りとは、外壁材と上塗りの間に塗料を塗る工程です。

外壁塗装の工程は通常、下塗り・中塗り・上塗りと3回塗装します。

下塗りは、塗装工程で最初に行う作業です。

下塗り作業は塗装工事をする場合必ず行う作業で、とても重要な役割を持っています。

 

 

 

 

 

下塗りの役割

 

下塗りには重要な役割が4つあります。

どれも塗装工事を成功させるうえで大切な役割ですので、しっかりと理解しましょう。

 

上塗り塗料と外壁材の密着性を高める

1つ目の役割は、塗装面と上塗りを密着させる効果があることです。

上塗りの塗料をそのまま塗装面に塗っても塗料が密着せず剥がれやすくなってしまいます。

このため、外壁材と上塗りの間に下塗り塗料を塗ることで、剥がれにくい塗膜に仕上げられます。

また、住宅の外壁にはモルタル・サイディング・金属・樹脂など様々な原材料が使われているため、それぞれの原材料に適した下塗り材を使い分ける必要があります。

 

塗装面の吸い込みを止める

2つ目の役割は、上塗りの吸い込みを止める効果があることです。

経年劣化した外壁や屋根に、上塗りの塗料をそのまま塗装面に塗ると、建材が塗料を吸い込んでしまいます。

吸い込みが止まらないと、見た目が悪くなったり、吸い込んでしまった分塗料を多く使わないといけないので、余計な費用が掛かってしまいます。

そのため、塗料が吸い込み過ぎないように下塗りで止めておくことは重要な役割なのです。

 

旧塗膜の色を隠す

3つ目の役割は、旧塗膜の色を隠し仕上がりがきれいになる効果があります。

下塗りは通常白色であることが多く、上塗りの仕上がりがきれいになります。

下塗りを行わないで上塗りを塗装した場合、元の外壁の色が透けてムラになって見えてしまうことがあります。

希望の色できれいに仕上げるのも下塗りの重要な役割です。

 

小さなひび割れを補修する

4つ目の役割は、小さなひび割れを補修する(フィラー使用)効果があります。

ヘアークラックと呼ばれる細いひび割れ(0.3mm以下)なら下塗りで十分埋めることができます。

補修費用が掛からず、見た目も補修材が目立つ心配がないため、小さなひび割れを補修してくれる機能も、下塗りの重要な役割です。

 

 

外壁の劣化症状についてはこちら

       外壁塗装の劣化症状・主な劣化症状の種類と原因・補修方法 》》》

 

 

 

下塗りの種類は3種類

 

下塗りの種類は大きく分けて3種類です。

下塗りの役割は、

  • 上塗りを密着させる
  • 上塗りの吸い込み過ぎを止める
  • 旧塗膜の色を隠す
  • 小さなひび割れを補修する

を備えたものです。

3種類の下塗りとそれぞれの特徴を紹介します。

 

シーラー

シーラーは、油性と水性があり多くの建材の下塗りに使用されます。

下地に塗料の吸い込みを防ぎ、上塗り塗料と密着を高めます。

液状はサラサラしており、薄く均一に塗装でき、よく使われる下塗り材です。

下地の種類や状態によって溶剤か水性を使い分けます。

 

種類 特徴 塗装できる建材
水性系シーラー
  • 劣化が少ない下地に使う
  • 乾燥時間が長い(2~6時間)
  • 臭いが少ない
モルタル・コンクリート・ALC・サイディング・石膏ボード・など

油性シーラー

(浸透シーラー)

  • 劣化が多い下地や吸い込みが多い下地に使う
  • 乾燥時間が短い(1~4時間)
  • 臭いが強い
モルタル・コンクリート・ALC・スレート屋根など

 

吸い込みの多い下地に使用されますが、下地によっては下塗りを2回以上塗装します。

 

プライマー

プライマーは、油性と水性があり密着性を高めるのに優れており、様々な素材に使われます。

シーラーに近い特徴がありますが、浸透性が高いものやさび止め効果を持つものもあり、シーラーよりも機能に応じた種類・用途に優れています。

 

種類 特徴 塗装できる建材
水性プライマー
  • 劣化が少ない下地に使う
  • 乾燥時間が長い(3~6時間)
  • 臭いが少ない
 モルタル・コンクリートなど
油性プライマー
  • 劣化が多い下地に使う
  • 乾燥時間が短い(1~4時間)
  • 臭いが強い
 モルタル・コンクリート・サイディングなど
防錆プライマー
  • 鉄や金属部分のさび止め効果がある
  • 金属部への密着性が高い
  • 油性と水性ががある
 鉄・アルミ・ステンレスなど

 

フィラー

フィラーは、主にモルタルの外壁に使用します。

下地に凸凹が多い、またはヘアークラックがある場合にはフィラーを使います。

シーラーやプライマーと比べてとろみがあり厚塗りができます。

また、シーラーとフィラーの機能を合わせた微弾性フィラーというものもあり、これは小さなひび割れや凸凹を埋める機能があります。

このように、種類が複数あるため、建材や状態によって選ぶ下塗り材は異なってきます。

下地によって、下塗りを2回以上塗る場合もあります。

 

良い塗装を行うためにも、下塗りを行う場合は下地の状態に合わせて、塗料を使い分けることが求められます。

 

下塗りの重要性

 

下塗りは、とても重要です。

下塗りを疎かにすると、外壁に多くの問題が発生します。

では、どのような問題が発生し、何が重要なのか解説します。

 

下塗りを塗装しないと塗料がはがれる恐れがある

下塗りを塗装しないと塗料が剥がれる恐れがあります。

なぜなら、上塗り塗料を直接塗装するだけでは、塗料がしっかりと密着しないからです。

もし、下塗りを行わないと塗料が剥がれやすくなってしまいます。

そのため、剥がれにくい塗膜に仕上げるためにも、下塗りが非常に重要なのです。

 

下塗り不要の上塗り塗料はおすすめできない

下塗り不要の上塗り塗料がありますが、こちらの塗料はおすすめできません。

なぜなら、上塗り塗料だけでは、下塗り塗料の効果を発揮するするのが難しいためです。

下塗り塗料は、上塗り塗料が下地に吸い込まれるのを防ぎ、下地と上塗り材との密着性を高める機能があります。

そのため、下塗り不要の塗料を使用することはおすすめできません。

 

思い通りの色を塗装できる

下塗りのおかげで、思い通りの色を塗装することができます。

上塗りを直接塗装しただけでは下地の色が透けて見えてしまいます。

下塗りを塗装することで、下地の色を隠すことができ、自由に上塗りの色を塗装することができます。

外壁に思い通りの色を塗装するためにも、下塗りは欠かせません。

 

費用を抑える

下塗りを塗装することで、費用を抑えられます。

下塗りによって上塗り塗料が下地に吸い込まれるのを防いでくれるからです。

もし、下塗りを行わずに上塗りのみ行うと、下地に上塗り塗料が吸い込まれ、塗料を多く使いますので、塗料の費用が無駄になります。

そのため、費用を節約するためにも、下塗りは重要です。

 

外壁塗装を行う利点と行わないリスク》》》

 

下塗りの注意点

 

下塗りを行うときの注意点があります。

この注意点を守らないと、塗装が剥がれてしまう可能性があります。

塗装が剥がれてしまう事態に陥らないためにも、下塗りの注意点を確認しておきましょう。

 

下塗り前の洗浄はしっかり行う

下塗り前にしっかりと洗浄を行いましょう。

下地に汚れや埃、剥がれかかった古い塗膜が付着していると、塗装が剥がれる原因になります。

そのため高圧洗浄機を使い、汚れや埃、剥がれかかった古い塗膜を落とす必要があります。

塗装が剥がれないようにするためにも、下塗り前はしっかりと洗浄しましょう。

 

下地の補修が必要な場合

下地の補修が必要な場合は、先に行いましょう。

なぜなら、ひび割れに使うシーリング材やフィラーなどには、塗装が必要な場合があるからです。

 

 

乾燥時間に注意

下塗りの乾燥期間に注意しましょう。

なぜなら、下塗りが乾燥してないと中塗り・上塗りに失敗してしまうからです。

塗料の乾燥には時間がかかりますが、焦って中塗り・上塗りを行うと塗装が剥がれる原因になります。

下塗りが乾いてないからといって、中塗り・上塗りを急がしてはいけません。

しっかり乾燥してから次の工程に移りましょう。

 

 

まとめ

 

塗装工事での下塗りの役割は

  • 上塗りを密着させる
  • 上塗りの吸い込み過ぎを止める
  • 旧塗膜を隠す
  • 小さなひび割れを補修する

下塗りをしっかり塗ることで、塗装の仕上がりや品質が向上するので、必ず実施しましょう。

 

下塗りの種類は3種類

  • シーラー
  • プライマー
  • フィラー

塗装する建材や状態に対して適切な下塗り材があります。

正しいものが使用されているか、確認しましょう。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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