シリコン塗料は外壁・屋根で人気!価格や特徴は?

 

外壁塗装のリフォームでは、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料が非常に人気がありますが、大切な家を守るためにも、本当に良い塗料であるものなのか、欠点はないのか、不安に思う方もいらっしゃると思います。そこで、シリコン塗料の特徴やメリット・デメリットについて確認してみましょう。他の塗料との価格・種類・グレードの違いなど解説します。

シリコン塗料とは

 

シリコン塗料とは、どんな塗料なのでしょうか?

まずはシリコン塗料の概要、長所や短所からご説明します。

 

シリコン(アクリルシリコン)塗料とは?

 

塗料には樹脂や顔料(着色剤)が含まれていて、希釈剤(水やシンナー)を混ぜて使います。

この樹脂の主成分がアクリル・シリコンなので、シリコン塗料と呼ばれているのです。

シリコン塗料・アクリルシリコン塗料といった名称を聞いたことがあり、混乱されている方も多いと思いますが、ほとんどの塗料メーカーでアクリルシリコン塗料のことをシリコン塗料と略して販売しています。

つまり、シリコン塗料もアクリルシリコン塗料も、同じシリコン塗料の仲間として分類されます。

よく似た名称の塗料で、アクリル樹脂を主材料としたアクリル塗料というものがありますが、こちらについては寿命が短いことから、外壁や屋根にはほとんど使用されていません。

一方で、シリコン塗料・アクリルシリコン塗料は、機能・耐久性・価格、いずれの面でもバランスが良く、外壁にも屋根にも頻繁に採用されています。

汚れにくく、また四季によって変動する天候・気候に対する抵抗力も強いという魅力があります。

 

シリコン塗料で塗装するメリット

 

汚れに強く、耐久性が高い

シリコン塗料は透湿性(湿気を通しやすい)があるため、塗装膜が剝がれにくく、カビや藻が生じにくいという特徴があります。

内部結露(外壁の内側に発生する結露)を防止する効果もあるため、結露対策として外壁をシリコン塗料でリフォームするご家庭も多く見られます。

また、たいていのシリコン塗料には、セラミック成分も配合されています。

セラミック入りのシリコン塗料で塗装した外壁や屋根は、汚れがつきにくい、あるいは断熱性・遮熱性が高いといった利点があります。

さらに雨や泥を弾くコーティングを施することも可能なので、塗装したての頃の美しさをキープしやすく、もし汚れがついても、簡単な掃除できれいに落とせます。

メンテナンス費用を抑えられる

以上のような理由から、シリコン塗料で外壁や屋根を塗装すると、耐久性が向上し、建物の見栄えの良さも続き、結果的に、次に塗り替えるまでの期間を延ばせます。

断熱・遮熱性もあるシリコン塗料にした場合は、冷暖房を抑える効果も期待できます。

シリコン塗料の性能

 


   
 

 

性能 程度
耐候性 光沢保持率が高い
耐熱性 非常に優れている
耐水性 塗膜が硬く、撥水性がある
透湿性 透湿性があるため、湿気による内部結露やカビを防ぐ
防汚性 汚れが付きにくい性質で、雨やホコリなどを弾く

 

シリコン塗料は、耐候性・耐熱性・耐水性などに優れていることから、日々太陽熱や雨風にさらされている外壁・屋根に向く塗料であることが分かりますね。

シリコン塗料で塗装するデメリット

他の塗料よりひび割れしやすい

主に外壁に塗装した場合の話になりますが、シリコンは塗膜部分が硬く剥がれにくいというメリットがある一方、ウレタンなどの塗料に比べると弾性が低いです。

地震で外壁がひび割れした場合に追従できず、シリコンの塗膜も一緒に割れてしまうことが多いです。

ただし、モルタルやコンクリートの外壁の場合には、弾力性のある弾性塗料というタイプの塗料を選ぶと良いでしょう。

一方、サイディングの外壁には弾性塗料は向きません。

どのような素材の外壁であっても、それぞれに合った塗料を把握しているリフォーム会社と相談し、適した製品を選びましょう。

重ね塗りには不向き

シリコンは、重ね塗りをする際に塗料を弾いてしまう性質があるため、10年後位に再び塗り替えをした際に、塗膜の密着性が悪くなってしまう可能性があります。

シリコン塗料は塗装する際、こまめにかき混ぜながら使わないといけません。

また、やや密着性が弱い傾向があることから、特に重ね塗りが難しく、適した下塗り材を用いる必要があります。

そのため、素人の方にとっては扱いにくい塗料で、DIYには不向きと言えるでしょう。

大切な建物を守っていくためにも、塗装経験の豊富なプロに施工を任せましょう。

 

シリコン塗料の価格・耐用年数は?ウレタン・フッ素と比較

シリコン塗料の費用や耐久性は、他の塗料と比べるとどのくらい差があるのでしょうか。

こちらでは、ウレタン塗料やフッ素塗料で塗装した場合との、施工金額や耐用年数の違いについて比較してみましょう。

 

塗料の種類 施工単価 耐用年数
ウレタン 1,600~2,200円/㎡ 6~10年
シリコン 2,000~3,000円/㎡ 8~14年
フッ素 3,500~4,800円/㎡ 15~20年

 

 

シリコン塗料で塗装する場合の費用は、1㎡あたり2,000~3,000円で、例えば一般的な30坪の戸建て住宅の外壁塗装をする場合、予算は50~80万円前後と考えておきましょう。

工事にかかる費用だけで考えれば、ウレタン塗装が最も安価ではありますが、シリコンで塗装した場合よりも2~5年前後早く、次の塗り替え時期を迎えてしまいます。

対してフッ素塗装であれば、シリコンと比べて5年近く持ちますが、その分リフォーム価格が高額になります。

どのような塗料を使っても、いずれは劣化し、塗り直さなくてはいけない時期がきます。

この先、同じ家にどのくらい住み続ける予定か、そのためには何年後に塗り替えるべきかを考慮し、お得な塗料を選択しましょう。

 

シリコン塗料の種類・グレードの違い

塗料を選ぶときには水性/油性」と「1液型/2液型」の違いも知っておくと、より安心です。

 

「水性」と「油性(溶剤/弱溶剤)」がある

すべての塗料は、水性と油性に分けることができ、水で薄める塗料が「水性」、シンナーを使用して希釈する塗料が「油性」です。

さらに油性塗料には「溶剤」と「弱溶剤」の2タイプがあり、弱溶剤のほうがシンナーの刺激や臭いが少ないという特徴があります。

最近は、環境にやさしい「水性」塗料や、刺激臭の問題を軽減した「弱溶剤」塗料の開発が進み、外装リフォームで主流になってきています。

 

「1液型」より「2液型」のほうが丈夫

水性・溶剤・弱溶剤のいずれのタイプも、「1液型」か「2液型」に分けられます。

「1液型」は塗料缶が1つですが、「2液型」は主剤(塗料液)と硬化剤の2缶で構成されます。

1液型は価格が安く、塗装するときに水もしくはシンナーで薄めればすぐに使えるため、取り扱いが容易で施工できる業者が多いというメリットがありますが、塗れる素材が限られます。

一方2液型は、水やシンナーで希釈するだけではなく、正しい比率で主剤と硬化剤を混ぜ合わせなくてはならず、混合後にはどんどん固まっていくため、経験のある業者でないと扱えません。

しかし、耐久力は1液型より高く、さまざまな素材に対応できる良さがあります。

 

水性と溶剤の違い

水性タイプの特徴 溶剤タイプの特徴
塗料を水で薄めて使う 塗料をシンナーなどの溶剤で薄めて使う
密着性がやや劣る場合あり 密着性が良い
密着性がやや劣る場合あり 密着性が良い
環境にやさしい 寿命が安定する傾向あり
シンナーの臭いがない 費用がやや高い傾向あり

1液型と2液型の違い

1液型の特徴 2液型の特徴
そのまま使えるため取り扱いが容易 使う直前に主剤と硬化剤を混ぜて使う
翌日も使える 混ぜた後はすぐに使い切る必要がある
費用が安い傾向あり 耐久性と耐候性が高い
塗れる素材が限られる 寿命が長い傾向あり

 

もともと塗料には「1液型」のものしかありませんでしたが、性能向上のために「2液型」が生まれました。

塗料の扱いは「1液型」よりも「2液型」のほうが難しいです。(業者によっては「硬化剤をきちんと混ぜない・比率を守らず目分量で適当に混ぜる」といった雑な施工をしてしまい、塗料本来の性能が発揮されないケースも見られます。)

そのため、特に「2液型」の塗料を使いたい方は、やはり信頼できる塗装業者に依頼するのが理想的です。

また、「水性」より「溶剤」のほうが、密着性や耐久性が優れている傾向があります。

よって「水性1液型」と比べると「溶剤2液型」のほうが、性能に優れ長持ちしやすいと考えられるでしょう。

ただ「シンナーの臭いが苦手だから、できれば水性塗料にしたい」「性能だけではなく、カラーも重視したい」という方もいらっしゃると思います。

そこで、まずは相性の良い業者と打ち合わせをすることも肝心です。

相談しやすい業者に「2液型の施工はできる?」「水性1液型でも耐久性の不安はない?」「こんな色にしたい」など、気になる点を聞いてみた上で、納得のいく塗料を選択すると良いでしょう。

なお、水性2液型のシリコン塗料製品は、まだ少なく、水性1液型や弱溶剤の1液型・2液型の商品が、現在は多く流通しています。

 

外壁・屋根の塗装では、信頼できるメーカー品・業者を選ぶ

 

高品質で一般受けが良いシリコン塗料は、困ったことに悪徳業者に悪用されることも多々あります。

シリコン塗料の性質をよく理解しておき、悪質な業者にだまされないようにしておきましょう。

本来シリコン塗料は、シリコン樹脂の量が多いほど性能が高くなります。

ところがシリコン塗料には、シリコンの含有量の規定がないため、どれほどシリコンの量が少なくても「シリコン塗料」として販売できてしまいます。

このため「シリコンだから丈夫!」と勧めてくる業者に出会ったら、念のため警戒したほうが良いでしょう。

シリコン樹脂がごく少量しか入っていない塗料では、耐久性はたいして高くありません。

ただ、塗料メーカーの公式ホームページや、塗料缶の実物を確認しても、シリコン含有量が記載されていることは、ほぼありません。

見積書に記載された塗料のシリコン含有量について聞いてみたところで、塗装業者も正しく答えられない場合が多いのも事実です。

そこで一つの目安として、この後にご紹介する大手メーカー(日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研)の商品を選ぶことをおすすめします。

また、できれば複数のリフォーム業者に見積もりを依頼し、プラン内容を比較してみましょう。

提案の仕方が最も良い業者に、塗料選びも工事も任せれば、より確実です。

 

おすすめメーカーのシリコン塗料製品

 

それではここで、信頼できる大手メーカーのシリコン塗料の例を挙げておきましょう。

なお、商品名が類似している他製品も多いため、必ずメーカーを確認するようにしましょう。

 

外壁用のシリコン塗料
日本ペイント『1液ファインシリコンセラUV』弱溶剤1液型 窯業系・金属系サイディングやコンクリート・モルタルの外壁に適しています。外壁の汚染に対して、すぐれた効果を発揮し、藻やカビの発生を抑制することができます。

日本ペイント『水性サーモアイウオールSi』 水性1液型

窯業系・金属系サイディングやコンクリート・モルタル・金属パネル・スレートなど、多様な素材に適用できる、万能な水性タイプのシリコン塗料です。遮熱効果が高く、藻やカビを防ぐ力も強く、遮熱性能と建物を維持します。

エスケー化研『クリーンマイドルシリコン』  

弱溶剤2液型

サイディングやコンクリート・モルタル・ALCパネル・鉄部など、多様な素材に適しています。独自のセラミック複合技術を用いており、建物に汚れが付きにくく、塗ったばかりのような光沢の美しさが持続します。

エスケー化研『水性セラミシリコン』

水性1液型

サイディングやコンクリート・モルタル・ALC・スレートなどの素材に対応しています。水性タイプなので、臭いが心配という方でも安心です。紫外線や湿気に対する抵抗力が高いセラミックシリコン樹脂塗料なので、長期にわたって建物を守り続けます。

関西ペイント『セラMシリコンⅢ』

弱溶剤2液型

 セラミック配合の高耐久なシリコン塗料で、超低汚染性を発揮し長期にわたり建物を保護します。サイディングやコンクリート・モルタル・鉄部などの素材に適しています。
 関西ペイント『アレスアクアシリコンAC-Ⅱ』水性1液型  水性反応硬化技術をさらに進化させたマイクロ反応硬化技術を採用しているため、水性塗料の常識を超えた低汚染性を発揮します。溶剤系アクリルシリコン樹脂塗料に匹敵する高い耐久性と高光沢に仕上がります。コンクリート・モルタル・サイディングボードなどに適しています。
屋根用のシリコン塗料

日本ペイント『サーモアイSi』

弱溶剤2液型

下塗りから遮熱機能があり、上塗り塗料には赤外線透過テクノロジーを採用し、上塗り層で反射できない赤外線をなるべく吸収させずに、透過させることで、下塗りの遮熱効果を最大限に発揮します。スレート屋根・鋼板屋根・トタン屋根などに塗装できます。

エスケー化研『クールタイトSi』

弱溶剤2液型

太陽光線の中で、放射熱エネルギーの強い近赤外領域を反射し、すぐれた遮熱性能があり、低汚染機能を発揮し、汚れの付着による遮熱効果の低下を防ぎ、長期にわたって遮熱性をい維持します。スレート屋根やトタン屋根などに塗装できます。

関西ペイント『アレスクールSi』

弱溶剤2液型

赤外線を反射させる特殊顔料を上塗りと下塗りに配合され、上塗り部分を透過した一部の赤外線も、下塗りで反射するWブロック効果により、屋根の温度上昇を制御します。スレート屋根やトタン屋根などに塗装できます。

 

シリコン塗料が適しているか業者とも相談を

 

シリコン塗料は性能・価格のバランスが良く、コストパフォーマンス性が高く、現在最もポピュラーな外壁塗料です。

ただ、性能を左右するシリコンの含有量はカタログなどで確認できないケースが多く、素人の方が粗悪品を見分けるのは困難と言えます。

また「そもそもシリコン塗料が一番良いの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

そのため、信用できる塗装業者と相談し、良質で最適なメーカー品を選んでもらうことを推進します。

シリコン以外の塗料も比較・検討したいという場合も、一度プロの塗装業者に会って話を聞き、好みに合いそうな塗料を複数提案してもらってはいかがでしょうか。

ささいな疑問やご要望がある場合も、知識や経験に元づいた助言をしてくれることでしょう。

外壁や屋根の塗装は、建物の見た目・耐久性を良くするためにも非常に大切です。

 

記事のまとめ

シリコン塗料の耐用年数は?

外壁塗装で8~14年です。屋根塗装で7~10年です。

シリコン塗料のメリット・デメリットは?

メリットは汚れに強く、耐久性が高いことや今後のメンテナンス費用を抑えやすいことです。

一方で他の塗料と比べると、ひび割れしやすいことや重ね塗りには向かないといったデメリットがあります。

シリコン塗料の価格は?

塗装面積1㎡あたり「2,000円~3,000円」です。一般的な30坪の戸建て住宅の外壁塗装をする場合は、50万円~80万円前後です。

シリコン塗料のおすすめ製品は?

日本ペイントでは『シリコンセラUV・サーモアイウオールSi』エスケー化研では『クリーンマイルドシリコン・セラミシリコン』関西ペイントでは『セラMシリコン・アクアシリコン』などです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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